留袖の買取相場は?黒留袖が数千円どまりになる理由と高く売るコツ

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「母の黒留袖、桐だんすの一番下に入れたまま何年も経ってしまった……」。娘の結婚式で一度袖を通したきり、という家は珍しくありません。

その留袖、買い取ってもらえます。ただし銘のない黒留袖で1,000〜5,000円、色留袖でも3,000〜20,000円が買取金額の目安。加賀友禅や有名作家の落款が入っていれば、10万円を超えることもあります。

金額の幅がここまで開くのは、留袖が誰にでも着られる1着ではないからです。背中と両胸、両袖の後ろに入った五つの紋は、その家の紋。別の家の人が袖を通すには、紋を抜いて入れ替える手間がかかります。買う人が限られれば、値も引きずられます。

持ち込む先も選びます。近所の総合リユース店は和装そのものを取り扱っておらず、車に積んで運んでも受付で止められることがほとんど。着物を見られる店を探すところからのスタートです。

そのうえ黒留袖は比翼が重なって、1着でもずしり。桐箱ごと抱えて店を回るのは、思っているより骨が折れます。運び出す前に、自宅まで来てもらう出張買取も候補に入れておくと選びやすくなるでしょう。

この記事では、黒留袖・色留袖・産地物・作家物それぞれの相場から、買取を断られる条件、買取額を上げるひと手間、値段がつかなかった時の手放し方までまとめました。読み終えたころには、母の1着を出す先が決まっているはずです。

この記事を読んでわかること

  • 黒留袖・色留袖・産地物・作家物それぞれの買取金額の目安
  • 正絹の礼装でも金額が伸びにくい3つの理由
  • 買取を断られやすい留袖の条件
  • 家紋と寸法が査定に与える影響
  • 証紙・落款の探し方など買取金額を上げる5つのポイント
  • 値段がつかなかった留袖の手放し方と、店頭・宅配・出張の使い分け
目次

留袖の買取相場|黒留袖・色留袖・作家物別の買取金額

留袖の買取金額は、1着で数百円から10万円超まで開きます。分かれ目は素材と銘。正絹で証紙や落款があれば数万円、ポリエステルや広範囲のシミがあれば値がつきません。着物全体の相場感は着物買取の相場にまとめていますが、留袖は種類ごとの差が特に大きい品目です。まずは全体像を確認してみましょう。

留袖の区分買取金額の目安
ポリエステル・ウールの留袖買取不可〜500円
銘のない黒留袖(正絹)1,000〜5,000円
銘のない色留袖(正絹)3,000〜20,000円
産地物(加賀友禅・京友禅など)10,000〜100,000円
有名作家・老舗の銘入り数万円〜200,000円前後
※買取専門店の公開実績・中古市場の実売価格から作成した目安です。2026年7月時点・状態で変動します。

同じ「留袖」でも、下から上まで200倍近い開きがあります。自分の1着がどの帯に入るのかを先に押さえておけば、金額を見て落胆せずに済むはず。区分ごとにくわしく見ていきます。

留袖の買取相場の目安を種類別に並べた図。有名作家・老舗は10万〜20万円前後、加賀友禅などの産地物は1万〜10万円、色留袖は3,000円〜2万円、銘なしの黒留袖は1,000〜5,000円、ポリエステル・ウールは数百円〜買取不可

銘のない黒留袖(正絹)の買取相場は1,000〜5,000円

作家名も産地の証紙もない黒留袖は、正絹でも1,000〜5,000円が中心です。黒地の裾に絵羽模様を配し、五つ紋を入れた既婚女性の第一礼装。格は最上級ですが、着る場面が結婚式の親族席にほぼ限られるため、中古市場での回転は速くありません。

状態・仕様中古の売値相場買取金額の目安
正絹・比翼付き・シミなし6,000〜15,000円3,000〜5,000円
身丈160cm・裄66cm以上の大きめ10,000〜20,000円5,000〜10,000円
薄いシミ・裏地の変色あり2,000〜5,000円1,000〜2,000円
伝統工芸品の指定がある黒留袖60,000〜100,000円30,000〜40,000円
※中古の売値はフリマ・オークションの実売帯、買取金額はその3〜5割が目安。状態と寸法で変わります。

寸法の欄に注目してください。昔の仕立ては身丈150cm前後・裄64cm程度が普通で、現代の背格好には短すぎます。裄が66cmを超える大きめの1着は、それだけで買い手が広がり、金額もひと回り上がります。

白生地に後から紋を入れた「伝統工芸品」の指定がある黒留袖は別格で、4万円前後の値がつくこともあります。たとう紙に産地名や作家名の紙が挟まっていないか、まず確かめてみてください。

黒地の裾に絵羽模様と紋を配した黒留袖の実物例
黒留袖の一例(黒地に裾模様・紋を配した既婚女性の第一礼装)。出典:Ichiro Wada / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

色留袖は黒留袖より高い|3,000〜20,000円が中心

色留袖は黒留袖より買取額が高く、状態が良ければ12,000〜20,000円が見込めます。黒以外の地色に染めた準礼装で、紋の数は三つ紋が一般的。一つ紋なら結婚式以外の式典やパーティーにも着られるため、次の持ち主が見つかりやすいのが理由です。

状態・仕様中古の売値相場買取金額の目安
正絹・銘なし・状態良8,000〜25,000円3,000〜8,000円
一つ紋・三つ紋で未着用に近い30,000〜50,000円12,000〜20,000円
総刺繍・金彩の華やかなもの60,000〜120,000円30,000〜70,000円
シミ・変色が目立つもの3,000〜8,000円買取不可〜2,000円
※2026年7月時点の目安。刺繍の分量・地色の流行で上下します。

金彩や刺繍がふんだんに入った1着は、はっきり別枠です。買取専門店の公開実績にも、孔雀の刺繍を施した色留袖に21,000円という例があります。刺繍の面積が広いほど手間も原価もかかっているため、査定でもそこが見られます。

ひとつ覚えておきたいのが紋の数。格式は五つ紋が上でも、買取では紋が少ない方が有利に働くこともあります。紋を入れ替える手間がかからず、幅広い場面で着られるからです。

黒以外の地色に裾模様を染めた色留袖の実物例
色留袖の一例(黒以外の地色に裾模様を配した準礼装)。出典:Ichiro Wada / Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

加賀友禅・京友禅など産地物の留袖は数万円が狙える

手描き友禅の留袖なら、10,000〜100,000円の帯に入ります。加賀友禅・京友禅・東京友禅は三大友禅と呼ばれ、染めの着物では最上位。産地を証明する証紙と、作り手のサインである落款がそろっていれば、金額は一段跳ね上がります。

産地・技法中古の売値相場買取金額の目安
本加賀友禅(証紙・落款あり)50,000〜150,000円30,000〜100,000円
京友禅の手描き(老舗の落款あり)40,000〜120,000円20,000〜80,000円
東京友禅・金彩刺繍の留袖20,000〜40,000円10,000〜20,000円
型染め・機械染めの量産品5,000〜12,000円1,000〜4,000円
※買取専門店の公開実績と加賀友禅の相場資料をもとにした目安です。証紙・落款の有無で大きく変わります。

本加賀友禅かどうかは、加賀染振興協会が発行する証紙で見分けます。証紙がないと産地も工程も証明できないため、同じ品物でも金額は下の帯に落ちがちです。落款は衽(おくみ)や衿先に小さく押されているので、たたんだ状態でも確認できます。

実際の取引例としては、東京友禅の金彩菊模様に刺繍を重ねた留袖が10,000円で買い取られています。手描きか型染めかは素人目には分かりにくいものの、証紙の紙一枚が数万円を左右すると思って探してみてください。

手描き友禅の裾模様をあしらった礼装の着物の実物例
手描き友禅で裾模様を表した礼装の一例(産地物・作家物は数万円台に届く)。出典:メトロポリタン美術館(パブリックドメイン / CC0)

有名作家・老舗の銘が入った留袖は10万円を超えることも

名の通った作家の留袖は、状態次第で10万円台から20万円前後まで届きます。人間国宝や一線の染色作家の作品は数が限られ、着物を専門に扱う業者の間で常に引き合いがあるからです。落款と証紙がそろっていれば、多少のシミがあっても値がつきます。

作家・銘買取金額の目安
由水十久(加賀友禅)1,000〜200,000円前後
羽田登喜男(加賀友禅・人間国宝)1,000〜200,000円前後
千總(京友禅の老舗)1,000〜200,000円前後
森口華弘(人間国宝)1,000〜100,000円前後
久保田一竹1,000〜100,000円前後
松井青々(京友禅)1,000〜100,000円前後
※作家物の買取相場資料をもとにした目安。同じ作家でも作品の格・状態で下限まで落ちます。

下限が1,000円になっている点にも意味があります。同じ作家名でも、量産に近い作や状態の悪い品は数千円どまり。名前だけで値が決まるわけではありません。

明治創業の「大彦」のような染織の老舗も、買取実績が公開されています。たんすの中に見慣れない落款や、達筆な墨書きの紙が残っていたら、捨てる前に一度その名前で調べてみてください。

ポリエステル・ウールの留袖は買取不可になりやすい

ポリエステルやウール混の留袖は、買取不可か数百円が現実です。洗える着物として大量に流通したぶん中古市場は飽和していて、引き取り手がほとんどいません。正絹でもカビやシミが広がっていれば、同じ帯に入ります。

素材・状態中古の売値相場買取金額の目安
ポリエステルの黒留袖3,000〜8,000円買取不可〜500円
ウール混の留袖1,000〜3,000円買取不可
正絹だがカビ・変色が広範囲1,000〜3,000円買取不可〜1,000円
未仕立ての正絹の反物15,000〜40,000円8,000〜20,000円
※素材は八掛や胴裏の風合い、燃やした時のにおいでも判別できます。迷うなら査定時に相談を。

意外なのが最後の行。仕立てる前の反物のまま残っている正絹は、まだ誰の寸法にも縫われていないぶん需要があり、仕立て上がりより高く評価されます。「いつか仕立てよう」としまい込んだ反物こそ、早めに出したい1本です。

ここまでを整理すると、留袖の金額を決めるのは素材・銘・寸法・状態の4点。手持ちがどの帯かを見当づけたら、次はなぜ全体的に控えめな金額になるのかを押さえておきましょう。

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留袖の買取金額が安くなりやすい3つの理由

留袖が数千円になるのは、査定する側が渋っているからではありません。袖を通す機会の減少、五つ紋と寸法という縛り、そして品の行き着く先。この3つが重なった結果です。順に見ていけば、どこへ出せば違ってくるかも見えてきます。

留袖の買取金額が安くなりやすい3つの理由の図。着る場面の減少、家紋と寸法の壁、総合リユース店には和装専門の目や広い売り先がないこと

出番が身内の結婚式に限られる

黒留袖に袖を通すのは、子どもの式で新郎新婦の母親や親族として座る時がほとんど。一生に一度か二度で終わる人も多く、買ってまでそろえる人は減りました。

代わりに広がったのがレンタルです。一式で数万円、着付けや小物の手配まで込みで借りられます。中古を買って紋を入れ直すより手軽なので、購入の需要はそちらへ移りました。次の持ち主が現れにくい品は、買取の金額も抑えられます。

五つ紋と身丈が、着られる人を狭める

留袖だけにある壁が、染め抜きの五つ紋です。背中・両袖・両胸の5か所に、白く紋が抜いてあります。他家の紋が入った1着は中古で敬遠され、はじめから扱わない先もあります。

紋を替えるには、その部分の生地を染め直して紋を描き起こす手間がかかり、1か所あたり数千円から。5か所ぶんを足すと、本体の中古価格を超えてしまうこともあります。

寸法の縛りも重なります。昭和の仕立ては身丈も裄も今より短く、背の高い人には着られません。生地が良くても袖を通せる人が限られる。その事情が、そのまま金額に出ます。

持ち込み先の売り場の広さで、金額の上限が決まる

近所の総合リユース店は、和装を買取の対象から外していることがほとんどです。大手チェーンは公式の取扱不可品に「和装」を挙げていて、袋に詰めて運んでも受付で戻されます。

受け付ける店でも金額が伸びにくい事情があります。総合リユース店が品を売るのは自分の売場。国内の棚で売り切れる値段から逆算するので、買い取れる上限が最初から低く決まります。

服も家電も並べる以上、値付けは相場表とマニュアルが土台になります。落款の作家名や産地の紙まで読み取れる担当者は、そう多くありません。同じ加賀友禅でも店や人が変われば金額が数倍動くのは、そのためです。

和装を専門に扱う先は事情が違います。国内の愛好家に加えて、海外や仕立て直しへ回す道を持っているからです。売り先が広いほど、買い取れる上限も上がります。留袖が安くなるかどうかは、品の値打ちより行き先で決まる。そう考えると、出す相手選びが金額の大半を握っていると分かります。

黒留袖で買取を断られやすい5つの状態

留袖は正絹でも、衿や袖口の白い比翼が黄ばんでいると断られやすくなります。留袖は白い生地を重ねて二枚重ねに見せる比翼仕立て。白が汚れると色の対比で目立ち、ほかの着物より不利に働きます。まず次の5つを確かめてみてください。

  • 衿元・袖口・裾から見える白い比翼が茶色く黄ばんでいる
  • たたみジワに沿って白い粉が浮き、たとう紙までにおう
  • 胴裏が飴色に変わり、引っぱると絹が裂けそうになっている
  • ポリエステルやウールで織られた略式の1着
  • 金彩がひび割れ、裾の刺繍が浮いて糸が飛んでいる

比翼の黄ばみが厄介なのは、白いぶんごまかしが利かないから。表地が無事でも、比翼を取り替えるには仕立て屋に預けることになります。洗い張りと仕立て代を足せば買取金額を軽く上回るため、多くの業者はここで見送ります。

カビも似た事情。湿気の多い場所でたたんだまま置くと、折り目に沿って白い粉が浮きます。生地の奥まで菌糸が入ると洗いでは戻らず、仕立て直しても再び出てくるのが厄介な点です。においが移ったたとう紙を開けた時点で、だいたい見当がつきます。

ただ、当てはまったからといって価値がゼロと決まるわけではありません。裾の絵羽模様に手描きの金彩や刺繍が残っていれば、生地として引き受ける先があります。捨てる前に、たとう紙の中の紙を探す。留袖ではそこが分かれ道になります。

留袖の手取りを増やす5つの準備

留袖は出し方のひと手間で、手取りが数千円単位で動きます。やることは多くありません。紙を探し、余計な手を加えず、ひと組でそろえて出す。順に見ていきましょう。

桐箱の底とたとう紙の中を先に探す

金額をもっとも動かすのは、産地や作り手を示す紙です。加賀友禅なら加賀染振興協会の証紙、老舗の誂えなら悉皆屋や呉服店の畳紙。同じ1着でも、あるかないかで数万円変わります。

落款は生地に押された小さな印で、衽や衿先をめくれば見つかります。読めなくても心配は要りません。見る人が見れば作り手までたどれます。

洗いには出さず、比翼のたたみジワだけ整える

よかれと思って丸洗いに出すと、留袖ではたいてい元が取れません。数千円から1万円ほどを先に払っても、その額がそのまま上乗せされる保証はないからです。

洋服の店に預けて金彩や刺繍が傷めば、価値のほうが落ちます。汚れは畳んだまま口で伝えるだけで十分です。査定する側は自前で直せる範囲を織り込んで金額を出します。

五つ紋の家紋を申し込みの時点で伝える

黒留袖には背・両袖・両胸の5か所に紋が入ります。この紋が他家のものだと次に着る人が限られ、金額の幅も狭まります。

先に「丸に片喰です」と伝えておけば、紋を入れ替える前提で見積もってもらえます。当日になって初めて紋の話が出るより、話が早く進みます。

袋帯・末広・草履までひと組でそろえる

留袖1点だけを出すより、装いひと組でまとめた方が総額は伸びます。金銀の袋帯、白骨の末広、帯締めや草履まで買取の対象。袋帯だけで数万円になることもあります。

そろっていれば、受け取った人がそのまま結婚式に出られます。留袖より帯のほうが高くついた、という話も珍しくありません。同じたんすに眠っているなら一度に出してしまいましょう。

身丈と裄を測り、式の増える春秋の前に出す

身丈と裄が分かっていると、相談の段階から具体的な金額が返ってきます。衿下から裾までが身丈、背中心から袖口までが裄。メジャーひとつ、2分で済みます。

身丈160cm・裄66cmを超えていれば、今の体格の人にも着せられる1着。加えて留袖が動くのは結婚式や式典の増える春と秋で、その手前が売り時です。紙をそろえ、手を加えず、ひと組で、時期を選ぶ。この4つで手取りは変わってきます。

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値段がつかなかった留袖の行き先|供養・仕立て直し・ごみ

値がつかない留袖には、供養・仕立て直し・自治体のごみという行き先があります。その前に一つ。買取できなかった品をそのまま持ち帰ってくれるかどうかは、業者ごとに違います。無料で引き取る先もあれば、断って手元に戻る先もあります。

店で断られれば、また抱えて帰ることになります。頼む時点で「値がつかない品も持ち帰ってもらえますか」と聞いておきましょう。着物の買取全般でも同じで、このひと言が往復の手間を減らします。

供養・お焚き上げに預ける(郵送で2,750円〜)

母や祖母が自分の子の式で袖を通した1着を、ごみ袋に入れるのは気が引けます。そこで使われているのが、神社や寺のお焚き上げです。

費用は無料から15,000円ほどと幅があり、郵送で受け付ける代行なら税込2,750円から、箱単位なら3,000円前後が目安。近くに預け先がなくても成り立ちます。供養証を出してくれる先もあり、気持ちの区切りをつけやすい預け方です。

裾の絵羽模様を生かして仕立て直す

黒留袖は腰から下だけに柄が入るので、裾の一枚絵がそのまま生地の見どころになります。ほどいてバッグや数寄屋袋、テーブルセンターに仕立て直す人もいます。

頼めば数千円から数万円かかりますが、五つ紋を避けて柄のいい部分だけを使えば、思い出をかたちにして残せます。ただ、証紙や落款の残る1着にはさみを入れるのは惜しい話。金額を確かめてからにしてください。

自治体の衣類・布として出す

供養にも仕立て直しにも回せないほど傷んでいれば、自治体のごみに回せます。着物は衣類・布として扱われ、多くの市町村が可燃ごみで受け付けます。

かかるのは袋代だけ。呼び名は市町村で違うので、住んでいる自治体のページで確かめてください。なお、カビだらけに見えても、たとう紙に紙が1枚挟まっていれば話は変わります。捨てる前に一度見せておけば、後から悔やまずに済みます。

留袖はどこへ出すか|店頭・宅配・出張とフリマの比べ方

出し先は店頭・宅配・出張の3つ。何着あるか、帯まで一緒かで決まります。1着を近所で片付けるなら店頭、数着を自分の都合で送るなら宅配、たんすの中身ごとなら出張。フリマアプリも含めて向き不向きを並べました。

売り方手間向いている状況
店頭買取店を探して運ぶ着物店が近所にあり1〜2着だけ
宅配買取詰めて送る数着まとめて・急がない
フリマアプリ撮影・梱包・対応手間をかけても高く売りたい
出張買取申し込んで待つたんすごと・帯や小物も一緒に
※和装は総合リユース店の取扱対象外のことが多く、店頭は着物を扱う店に限られます。

近所に和装を扱う店があるなら店頭

持ち込んだ日に金額が分かり、承知すれば現金で受け取れます。1着だけを手早く済ませたい時には向いた方法です。

留袖を売る3つの方法の比較図。店頭買取は1着だけをすぐ片付けたい時、宅配買取は数着を箱に詰めて送りたい時、出張買取はたんすごと帯や小物もまとめて片付けたい時に向く

難しいのは、受け付ける店そのものが少ないこと。服も家電も並ぶ総合リユース店では和装を扱っておらず、呉服店か、和装を含む買取業者の店舗を探すことになります。たとう紙は畳んでも幅60cm近くあり、数着を電車で運ぶのは骨が折れます。

宅配買取はたとう紙ごと箱に入れて送る

和装を扱う業者はたいてい宅配にも対応し、無料の箱を送ってくれます。詰めて集荷を頼めば、家から出ないまま見てもらえます。

気をつけたいのは、金額の連絡まで数日かかることと、返送の折り方が変わる場合があること。落款のある1着や作家物なら、目の前で広げてもらう方が納得しやすいでしょう。

フリマアプリは黒留袖を着る人自体が少ない

メルカリでは着物の取引が活発で、2024年12月からの3か月だけで24,000件以上が売買されました。ただ、その多くは普段着に回せる小紋や紬です。

黒留袖を買う人は、身内の式に出る予定があって、なおかつ紋と寸法が合う人に限られます。値をつけて置いておいても動きにくく、下げるほど手取りが送料に食われていきます。

配送方法サイズの目安送料
宅急便 60サイズ三辺60cm・2kg750円
宅急便 80サイズ三辺80cm・5kg850円
宅急便 100サイズ三辺100cm・10kg1,050円
宅急便 120サイズ三辺120cm・15kg1,200円
※らくらくメルカリ便(全国一律・税込)。出典:メルカリ公式ヘルプ。

5,000円で売れたとして、送料850円と手数料500円が引かれて残るのは3,650円ほど。しかも比翼の黄ばみや裏地の変色は写真に写りにくく、届いてから返品や評価の話になりがちです。畳み方や湿気対策まで気を配れば、1着に半日は取られます。

帯や末広ごと片付けるなら出張買取

留袖と一緒に袋帯や末広、草履まで眠っているなら、来てもらう方が話が早くなります。査定する人が家を訪ねて、その場で1点ずつ見て金額を出します。運ぶ必要も、撮る必要もありません。

出張で買い取る業者は数多くありますが、この記事が留袖にすすめているのは「福ちゃん」です。留袖の買取実績を金額つきで公開し、和装を専門に見る体制があるためです。強みの中身はこちらでくわしくお伝えします。

1着なら店頭、数着なら宅配、装いひと組ならまとめて出張。留袖は単独で眠っていることが少ないので、ひと組で見てもらえる出し方が手間と釣り合います。

留袖と帯をまとめて出すなら福ちゃんの出張買取

留袖と袋帯を一度に片付けたい人には、出張で買い取る「福ちゃん」が向きます。着物は主力の取扱カテゴリで、留袖の実績も金額つきで並んでいます。頼んだ人の口コミや評判は福ちゃんの評判記事にまとめました。先に、来てもらう買取そのものの中身を押さえておきます。

留袖の整理に福ちゃんの出張買取が向いている理由の図。和装専門の目と独自の販売ルート、19カテゴリを一度に査定、女性担当者を指名できるレディースプラン、社名の入っていない車での訪問

家から出ずに済む売り方と、その断り方

出張買取は、査定する人が家を訪ねて、その場で品を見て買い取る方法です。たとう紙を抱えて店を探すことも、1着ずつ撮って出品することもありません。窓口はWebフォームと電話、それにLINE。呼ぶだけならお金はかからず、早ければ当日中に回ってもらえます。

とはいえ、玄関を通した相手に「要りません」と言えるかどうか。そこが引っかかる人は多いはずです。無理に手放さずに済む決まりが、次のように置かれています。

  • 金額に納得できなければその場で断ってよく、見てもらうだけならお金はかからない
  • 1点ずつ売る・残すを決められる。母の形見の1着だけ手元に置く、という決め方もできる
  • 呼ぶ費用も、見てもらう費用も、やめた時の費用も、振込の手数料もかからない
  • 訪問での買取は、契約から8日のあいだ理由なしで白紙に戻せる(一部の品目を除く)

「一度契約したら戻せません」と言う相手は、法の定めに背いています。その場でやめて差し支えありません。白紙に戻せると分かっていれば、呼ぶ気持ちも軽くなります。では福ちゃんが留袖と噛み合うのはなぜか。中身を見ていきます。

福ちゃんが黒留袖の査定に向いている理由

福ちゃんは留袖専用のページを持ち、産地物や作家物の実績を金額つきで載せています。大彦の留袖に5,000円、孔雀の刺繍を施した色留袖に21,000円、東京友禅の金彩菊模様に10,000円。落款や産地を読み取ったうえでの数字です。留袖と噛み合う点をまとめました。

  • 自前の売り先を持っている:国内の店頭に頼りきらないため、総合リユース店で値のつかない和装にも金額を出せる
  • 累計800万点・19の取扱カテゴリ:袋帯や末広に加えて、仏間の骨董や母の指輪まで同じ日に片付く
  • 女性の担当者を頼めるレディースプラン:日中ひとりで留守番している時間でも呼びやすい
  • 社名の入らない車で来る:向かいの家に買取と察されにくい

運営元は株式会社REGATE。古物商の許可と、プライバシーマークの認定を受けた会社です。1点からでも回ってもらえるので、黒留袖1着だけの相談でも構いません。

たんすを開けたら訪問着も袋帯も出てきた、という時こそ出番です。金額がつくか読めない品も一緒に並べて、まず見てもらうところから始めてみてください。

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福ちゃんの着物買取

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留袖を出す当日までの4ステップ

申し込みから受け取りまで、自分が動く時間は合わせて40分ほど。申し込みに3分、当日の査定が30分前後。残りは待つ時間です。先に段取りを知っておけば、当日に慌てずに済みます。

出張買取の流れ4ステップの図。1.Web・電話・LINEで申し込み、2.訪問日時の決定、3.自宅で査定、4.受け取りまたは無料キャンセル

STEP1 「黒留袖と帯が数点」と伝えて申し込む(3分)

名前・住所・連絡先と、たとう紙の枚数をざっくり伝えるだけ。「黒留袖が2枚、袋帯が3本」くらいの粗さで通ります。写真も採寸も要りません。

この電話で、金額のつかない品を持ち帰ってもらえるかも確かめておきましょう。

STEP2 証紙を探す時間を見込んで日を決める(申し込み後すぐ)

日取りを決めるのは、折り返しの電話です。空きがあればその日のうち、混む時期でも数日先には収まります。女性に来てほしい場合も、ここで言っておきます。

桐箱の底や引き出しの奥を探すなら、少し先の日を取りましょう。たとう紙を廊下側へ寄せておけば、当日の流れが止まりません。

STEP3 比翼と五つ紋、落款を見てもらう(30分前後)

担当者が1枚ずつ広げ、衿裏の比翼・紋・落款・寸法を順に確かめます。見つけておいた証紙は、この場で渡してください。

なぜその金額になるのかも説明してもらえます。引っかかる点はその場で尋ねて差し支えありません。玄関先で済ませたい時は、そう言えば通ります。

STEP4 1着ずつ売る・残すを決める

金額に承知したら、その場で現金または振込を受け取ります。母の1着だけ残して帯と草履を売る、といった決め方もできます。

納得できなければ、全部断って構いません。お金は一切かからず、契約から8日のあいだなら白紙にも戻せます。4つの段取りを合わせても、自分が動くのは1時間に届きません。呉服店を探して往復する手間と比べれば、負担はかなり小さく収まります。

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証紙が見つからなくても、シミや色褪せがあっても査定できる場合があります。

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留袖の買取でよくある質問

最後に、留袖を手放す前に迷いやすい点をまとめました。出す前の確認に使ってください。

黒留袖と色留袖では、どちらが高く売れますか?

色留袖の方が高くなりやすいです。

紋が三つ紋や一つ紋なら、式典やパーティーでも着られて次の持ち主が見つかります。五つ紋の黒留袖は身内の結婚式に用途が絞られるぶん、動きにくくなります。

衿や袖口の白い比翼が黄ばんでいますが、値はつきますか?

薄い黄ばみなら値がつくことがあります。

比翼は取り替えのきく部分なので、表地の裾模様が無事なら判断が分かれます。証紙や落款が残っていれば、なおのこと自己判断で捨てないでください。

近所の総合リユース店に留袖を持ち込めますか?

いいえ、和装を取扱対象から外している店が大半です。

大手チェーンは公式に和装が不可と示しています。呉服店へ持ち込むか、宅配・出張に対応する業者へ相談する方が確実です。

値段がつかなかった留袖は、持ち帰ってもらえますか?

業者ごとに対応が分かれます。

無料で引き取る先もあれば、断って手元に戻る先もあります。頼む時点で聞いておけば、抱えて帰る手間を避けられます。引き取りがなければ、供養か自治体のごみが行き先です。

五つ紋が他家の家紋でも売れますか?

金額は下がりやすいものの、値がつかないわけではありません。

紋の入れ替えには1か所あたり数千円かかるため、そのぶんが差し引かれます。和装を専門に扱う業者なら、紋入りも買取の対象にしています。

家に来てもらって、断りにくくなりませんか?

いいえ、承知できなければ費用ゼロで断れます。

1点ずつ売る・残すを選べて、見てもらうだけならお金はかかりません。家に来てもらう訪問買取は、契約から8日以内なら解約できます(一部の品目を除く)。

留袖の買取で押さえておきたい要点

ここまでの内容を、判断に使えるかたちで並べ直しました。たんすの留袖をどうするか迷ったら、見返してみてください。

留袖の買取の要点
  • 銘のない黒留袖は1,000〜5,000円、色留袖は3,000〜20,000円が目安
  • 加賀友禅・京友禅など産地物は10,000〜100,000円、有名作家なら20万円前後まで
  • ポリエステル・ウールの略式は買取不可か数百円どまり
  • 身丈160cm・裄66cmを超える大きめは、金額がひと回り上がる
  • 比翼の黄ばみ・カビ・胴裏の変色・虫食いは断られやすい状態
  • 安いのは着る場面の狭さ・五つ紋と寸法の制約・売り先の広さが理由
  • 桐箱の底とたとう紙から証紙・落款を探す。自分で洗いに出さない
  • 袋帯・末広・草履まで装いひと組でそろえると総額が伸びる
  • 値がつかない品は供養(郵送2,750円〜)・仕立て直し・可燃ごみが行き先
  • 式の増える春秋の手前が売り時。ひと組で出すなら出張買取

1着あたりの金額に一喜一憂するより、どうまとめて出すかで考えると迷いが減ります。紙を探して、帯や末広と一緒に見てもらう。それだけで手取りは変わります。

母から受け継いだ留袖は、たんすを開けるついでに次の人へ渡そう

留袖の手放しどきは、着る予定がなくなった時です。絹はしまい込んだ年数のぶんだけカビが回り、色が変わっていきます。とくに白い比翼は、先に色が変わりがちです。「そのうち誰かが着るかも」と置いておくうちに、値のつく状態から離れていきます。

母が娘の式で袖を通し、その娘がまた自分の子の式で着る。そうして受け渡されてきた1着ほど、ごみ袋には入れにくいものです。だからこそ、また袖を通してくれる人へ回す道を考えたい。受け取り手がいると分かれば、手放す踏ん切りもつきます。

実家のたんすを開ける日は、そう何度も巡ってきません。留袖だけでなく、袋帯も末広も草履も、同じ日に見てもらえる時です。金額が読めない品こそ、お金のかからない査定で確かめてみてください。たんすの整理が心残りなく片付くことを願っています。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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