「客間に飾ったままの日本画、そろそろどうにかしないと」。額に入った牡丹の絵、押し入れで丸めてある鶴の軸。親や祖父母の代から家にあって、値段の見当がまったくつかない品です。
日本画の買取金額は、誰が描いたかと、筆で描いた1点物かどうかで決まります。印刷の複製なら数百円から数千円、名の通った作家の真作なら数万円から数百万円。同じ壁に並んでいた2点で、金額が三桁違うこともあります。
やっかいなのは、その差が絵を眺めても分からない点。有名作家の複製画は当時それなりの値段で売られていたので、額も立派で、隅には署名と朱の印まで入っています。「高かったはず」と思っていた1点が数百円、「たぶん飾り物」と思っていた1点が十数万円。この取り違えが本当に多いのです。
手がかりは絵の表ではなく裏側にあります。額の裏板に貼られた小さなシールと、軸なら桐箱のふたの墨字。ここに作者本人の字が残っていれば、査定の話は一気に進みます。
額装の日本画はガラス入りで重く、軸は長くて数がまとまりがち。美術品を扱う店を探して車に積み込む前に、自宅まで来てもらう出張買取も並べて比べてみてください。
この記事では、作家別・画題別・複製画それぞれの相場から、真作かどうかを自分で確かめる手がかり、鑑定に出すべきかの判断、値段がつかなかった時の出口までまとめました。読み終える頃には、家にある1点をどこへ出すのが損にならないか見えてきます。
この記事を読んでわかること
- 近代の巨匠・人気作家・存命作家・複製画それぞれの買取金額の目安
- 落款・額裏のシール・画面の粒で真作かどうかを見分ける手がかり
- 絵の良さと金額が釣り合わない原因と、査定を見送られやすい絵の共通点
- 鑑定料の目安と、先に鑑定書を取るべきかどうかの判断
- 値がつかなかった絵の出口と、点数で決める売り方の選び方
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日本画の買取相場|作家と技法で分かれる買取金額
日本画の買取金額は、数百円から数百万円まで開きます。分かれ目は2つ。筆で描かれた1点物か複製か、そして作者が誰かです。作者が特定できて付属品がそろえば数万円台に届き、近代の巨匠の作なら百万円を超える帯に入ります。絵画全体の値段の付き方は絵画買取の相場にまとめました。日本画はその中でも、真作かどうかの判定が金額を左右する度合いがとりわけ大きい品目です。
| 日本画の区分 | 買取金額の目安 |
|---|---|
| 量産された印刷の複製・工芸印刷 | 値段がつかない〜1,000円 |
| 筆で描かれているが作者不明の品 | 約1,000〜10,000円 |
| 存命作家・中堅作家の小品 | 約10,000〜100,000円 |
| 人気作家の版画(リトグラフ・木版) | 約10,000〜100,000円 |
| 物故大家・人気作家の真作 | 約30,000〜300万円 |
| 近代の巨匠の大作・代表作 | 約100万〜3,000万円 |
上から下まで千倍以上の幅。しかも見た目で判断しにくいところが日本画の難しさです。そもそも日本画という呼び方は、明治以降に西洋の油絵と区別するために生まれた言葉。日本人が描いた絵すべてを指すわけではありません。

使う材料も西洋の油絵とは違います。和紙や絹の上に、墨と岩絵具(鉱物を砕いた粉の絵の具)、貝から作る胡粉を膠で溶いて塗り重ねたもの。影をあまり付けず平面的に描くのも特徴です。この材料の違いが、後で真作かどうかを見分ける手がかりになります。
ここからは、金額が動く軸ごとに見ていきます。自分の家にある1点がどの帯に近いか、当てはめながら読んでみてください。
形から引く買取相場|額装・掛軸・色紙・屏風
まず自分の家にあるものの形から金額の見当を付けてください。同じ日本画でも、壁に掛かった額装か、丸めてある軸か、色紙かで金額の幅が違います。そのうえで作者の欄を見ると絞り込みが早くなります。
| 形・大きさ | 複製・量産の印刷 | 作者が分かる真作 |
|---|---|---|
| 額装(8〜10号・応接間に多い大きさ) | 値段がつかない〜3,000円 | 10,000〜300,000円 |
| 額装(20号以上の大作) | 値段がつかない〜5,000円 | 50,000〜300万円 |
| 掛軸(軸装) | 値段がつかない〜1,000円 | 5,000〜250万円 |
| 色紙・短冊 | 値段がつかない | 3,000〜50,000円 |
| 屏風・障壁画 | 1,000〜5,000円 | 10,000〜200,000円 |
横に見比べると、同じ形でも複製と真作で桁がふたつ変わることが分かります。だからこそ最初に確かめたいのは大きさや豪華さではなく、筆で描かれた1点物かどうか。その見分け方は後半でくわしく取り上げます。
表に入りきらない形もあります。扇に描かれた扇面、画帖に貼られた小品、襖絵。どれも作者が特定できれば数万円台に届きますが、寸法や仕立ての具合で見立てが変わるため、写真を見せて聞くのが早い品です。
近代の巨匠の真作は数十万円から数百万円
明治から昭和にかけての巨匠の真作は、数十万円から数百万円の帯に入ります。横山大観、竹内栖鳳、川合玉堂、上村松園。美術館に並ぶ名前ですが、当時は床の間や客間を飾るために描かれた小品も多く出回りました。だから一般の家からも出てきます。
| 作家・作品 | 買取参考価格 |
|---|---|
| 横山大観「日本心神」など富士の作 | 1,000万〜3,000万円 |
| 横山大観「老松双鶴」 | 2,000,000円 |
| 横山大観の掛軸作品 | 100万〜250万円 |
| 上村松園「美人納涼」(掛軸) | 900,000円 |
| 竹内栖鳳「班猫」 | 150,000円 |
| 川合玉堂「喜壽双鶴」 | 120,000円 |
同じ作家でも金額の幅が大きいことに気づいたでしょうか。大観なら富士を描いた作が最上で、代表作の域なら数千万円。一方で小ぶりな軸や、富士以外の画題なら数十万円台に落ち着きます。栖鳳や玉堂の作で十数万円という買取実績も出ています。
作者が読み取れなくても、絹地の古さや表装の格で時代が推し量られることもあります。江戸期までさかのぼる品は数が限られ、無銘でも希少なものとして扱われます。
注意したいのは、有名な名前ほど模写と偽物が多い点。名前が入っているだけでは金額は決まりません。筆の運び、絹や紙の質、印影の細部を突き合わせて判断されます。同じ壁に洋画が掛かっているなら油絵・洋画の買取相場とは評価の軸が違う点も押さえておいてください。

昭和から平成の人気作家は作品の格で開く
戦後に活躍した人気作家の真作は、数十万円から一千万円台まで開きます。今の美術市場でいちばん引き合いが強い層です。東山魁夷や平山郁夫のように、名前を聞けば絵柄が浮かぶ作家がここに入ります。
| 作家(代表作) | 買取相場の中心帯 | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 東山魁夷「緑響く」など | 150万〜250万円 | 2,000万円前後 |
| 平山郁夫(シルクロード連作) | 700万〜1,000万円 | 5,000万円前後 |
| 片岡球子「めでたき富士」など | 50万〜60万円 | 1,000万円前後 |
| 棟方志功(板画・倭画) | 400万〜500万円 | 500万円前後 |
| 竹久夢二(大正の美人画) | 数十万〜300万円 | 300万円前後 |
| 千住博「ウォーターフォール」 | 数十万〜数百万円 | 1,000万円前後 |
平山郁夫の代表作「シルクロードを行くキャラバン」には30万〜50万円という相場も出ています。連作の中の1点か、代表作かで数字は大きく動きます。ラクダや砂漠を描いた作は特に引きが強い題材です。
公開されている買取実績も並べておきます。千住博「ウォーターフォール」に470万円、棟方志功「颯子の柵」に109万円、竹久夢二「舞妓」に300万円。いずれも大手買取業者が実績として出した金額です。
この層で気をつけたいのは、原画と版画がまったく別の帯だという点。東山魁夷なら原画は百万円単位ですが、リトグラフは数万円台。同じ図柄でも紙に刷ったものは金額が一桁以上変わります。江戸期の木版に当たりそうな絵は浮世絵の買取相場のほうが近い話になります。
美人画・花鳥画・山水画|画題でも金額は動く
作者が分からない品でも、何を描いた絵かで数千円から数十万円まで差が出ます。着物姿の女性を描いた美人画、花と鳥を配した花鳥画、山と川の山水画、仏さまの仏画。買い手の層が違うので、探している人の数がそのまま金額に出ます。
| 画題 | 買い手の傾向 | 買取金額の目安 |
|---|---|---|
| 美人画(着物姿の女性) | 愛好家が多く安定 | 10,000〜300,000円 |
| 花鳥画(花・鳥・小動物) | 季節を問わず飾れる | 8,000〜100,000円 |
| 山水画(山・川・水墨) | 点数が多く選ばれる | 4,000〜300,000円 |
| 仏画・曼荼羅 | 寺院や信仰の需要が残る | 20,000〜150,000円 |
| 屏風絵・障壁画 | 置ける家が限られる | 10,000〜200,000円 |
美人画は近代日本画の中でも人が集まる画題です。上村松園がその代表で、着物の柄や髪の描き込みまで含めて評価されます。着物姿の女性という題材そのものに、今も一定の引き合いがあります。

花や小動物を描いた絵も扱いやすい画題です。飾る季節を選ばず、部屋の雰囲気に合わせやすいため。猫を描いた栖鳳の絵のように、動物を主役にした作は一般の家でも飾りやすく、次の持ち主が見つかりやすくなります。

逆に売りにくいのは、季節が限られた画題と大きすぎる品。桜だけ、雪景色だけの絵は飾れる時期が短くなります。屏風や大幅は置ける家が減り、絵の良さと金額が釣り合いにくくなりました。
存命作家・中堅作家の小品は号の大きさで決まる
今も描いている作家や中堅作家の小品は、1万円から数十万円が中心です。この層では絵の大きさがそのまま金額に響きます。美術品では絵の寸法を号という単位で表し、1号あたりいくらという掛け算で値段が組まれるためです。
| 作家・作品 | 買取金額の目安 |
|---|---|
| 中島千波(人気の桜を描いた水墨の大作) | 100万円前後 |
| 中島千波(桜以外の題材のリトグラフ) | 10,000〜30,000円 |
| 松尾敏男の日本画 | 数千円〜400,000円 |
| 與那覇朝大の日本画(額装) | 148,000円 |
| 大矢十四彦「冬華」8号(額装) | 10,000円 |
| 公募展の入選歴のみの作家 | 値段がつかない〜数千円 |
8号は横幅が45cmほど、応接間の壁に掛かるよくある大きさです。その号数の花の絵で1万円という買取実績が出ています。同じ作家でも大作なら数万円台に届き、逆に小さな色紙や短冊は数千円で落ち着きます。
号単価の考え方も知っておくと見当が付きます。たとえばF4号(33.3×24.2cm)の作品で、1号8,000円と値付けされていれば販売価格は32,000円。買い取ってもらう金額はそこから3〜5割が目安になります。
名前をほとんど聞かない作家の絵は、正直なところ厳しい帯です。多くは値段がつかないか数百円どまり。ただし「無名だと思っていた署名が有名作家の別号だった」という取り違えは起こります。捨てる判断の前に見てもらう価値は残ります。
複製画・リトグラフ・工芸印刷は数百円から数万円
複製でも、有名作家の版画なら数万円、量産の印刷なら数百円から数千円です。複製と聞くと値段がつかないと思われがちですが、そこは分かれます。作家が監修した版画と、絵柄を写しただけの印刷では扱いが違うためです。
| 種類・作品 | 中古の売値相場 | 買取金額の目安 |
|---|---|---|
| 東山魁夷「緑響く」(リトグラフ) | 100,000〜200,000円 | 40,000〜70,000円 |
| 東山魁夷「吉野の春」(リトグラフ) | 100,000〜200,000円 | 40,000〜80,000円 |
| 東山魁夷「山峡雨晴」(没後の復刻版画) | 150,000円前後 | 70,000円前後 |
| 平山郁夫のリトグラフ | 30,000〜100,000円 | 10,000〜50,000円 |
| 横山大観の版画・複製 | 10,000〜50,000円 | 5,000〜20,000円 |
| 作家名のない印刷・工芸印刷 | 1,000〜5,000円 | 値段がつかない〜1,000円 |
版画にも段があります。作家が生前に監修したものが最上で、亡くなった後に遺族の許諾を得て作られた復刻版はそこから一段下がります。同じ図柄で2種類あることも珍しくありません。
技法の名前が金額の目印になります。石版で刷るリトグラフ、絹の版を使うシルクスクリーン、デジタル出力のジークレー、ガラス版で刷るコロタイプ、陶板に焼き付けたもの、印刷の上から職人が絵の具で色を差した手彩色。福ちゃんの公式コラムでも、これらは美術品として買取の対象になると説明されています。
逆に値段が残らないのは、家具店や通販で額付きで売られていた量産の印刷。有名作家の絵柄でも、限定の番号もサインもなければ美術品として扱われません。ここは正直な帯だと受け止めてください。
シミ・破れ・作者不明の日本画にも値は残る
色あせやシミ、破れがあっても、筆で描かれた品なら数千円から数万円が残ります。紙と絹は湿気に弱く、長く置いた年数だけ傷みます。それでも状態だけで値段がゼロになるわけではありません。
| 状態 | 総合リユース店 | 美術品の買取専門店 |
|---|---|---|
| 作者が分かり状態も良い | 1,000〜10,000円 | 30,000〜300,000円 |
| 作者が分かるがシミ・ヤケあり | 値段がつかない〜3,000円 | 10,000〜100,000円 |
| 作者不明・筆で描かれた品 | 値段がつかない | 1,000〜10,000円 |
| 本紙が破れ、カビが回った品 | 値段がつかない | 値段がつかない〜3,000円 |
表を横に見ると、同じ品でも出す先で金額が変わることが分かります。傷んだ美術品を直して売る先を持っているかどうかの差です。この違いは次で詳しく取り上げます。
同じ壁や押し入れから出てくる、値段の付き方が別の品
日本画と一緒に出てくる品は、見た目が似ていても値段の決まり方が違います。書、油絵、版画、額縁。同じ査定の場で見てもらえますが、金額を左右する要素が別なので分けて考えてください。
| 一緒に出てくる品 | 金額を決める要素 | 買取金額の目安 |
|---|---|---|
| 書・墨蹟(禅僧や歴史上の人物の書) | 書いた人の知名度と箱書き | 3,000〜300,000円 |
| 油絵・洋画 | 号数とサイン、来歴の証明 | 5,000〜300万円 |
| 版画・リトグラフ | 限定番号と鉛筆の直筆サイン | 1,000〜100,000円 |
| 浮世絵(江戸の木版) | 当時の摺りか後年の復刻か | 3,000〜200,000円 |
| 額縁だけ(中身なし) | 作家が選んだ額・古い工芸額か | 値段がつかない〜30,000円 |
まぎれやすいのが版画と浮世絵です。どちらも紙に刷ったものですが、近代作家の版画は限定番号と直筆サインで決まり、江戸期の浮世絵は摺りの時期と保存状態で決まります。日本画の相場をそのまま当てはめると見当が外れます。
額縁だけが残った場合も、捨てる前に一度見せてください。作家が指定した額や古い工芸の額は美術品として扱われます。量産のフォトフレームや賞状額は値段が付きませんが、そこは分けて判断してもらえます。
ここまでを整理すると、日本画の金額は「誰が描いたか」「1点物か」「どんな状態か」の3つで決まります。量産の印刷は数百円、巨匠の真作は数百万円。まず自分の1点がどちら側かを確かめることが、損をしない出発点になります。
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桐箱や書付ごと、割れ物を梱包せずに見てもらえます。
出張料・査定料・キャンセル料は0円。
作家や詳細が分からない品でも、そのまま査定してもらえます。
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真作か複製かを確かめる3つの手がかり
手がかりは、絵の隅の署名、額の裏のシール、そして画面をルーペで覗いた時の見え方の3つです。どれも道具は要りません。査定を頼む前にこの3点を確かめておくと、電話やフォームで伝える内容が具体的になり、話が早く進みます。
絵の隅の署名と朱色の印を見る
まず絵の右下か左下を見てください。墨で書かれた署名と、朱色の四角い印がセットで入っているのが日本画の作法です。この署名と印のことを落款と呼びます。
ここで確かめたいのは、印が本当に朱肉で押されているかどうか。本物の印は絵の具の上にわずかに乗り、光の向きを変えると盛り上がりが見えます。印刷なら平らで、絵の表面に溶け込んで見えます。
読めない崩し字でも大丈夫。無理に判読せず、その部分をスマホで撮っておけば十分です。査定の場では印影を資料と突き合わせて確かめられます。
額の裏のシールと、軸なら桐箱のふたを探す
額装の日本画では、裏板に貼られた小さなシールが金額をいちばん動かします。作者が自分で作品名と署名を書き入れたもので、名前は共シール。これが残っていれば真作の裏づけとして強く働きます。
軸装なら桐箱のふたを見てください。ふたの表や裏に作者の墨字があるものは共箱と呼ばれ、同じ役目を果たします。箱と中身が入れ替わっていないかも、査定では合わせて確かめられます。
購入した画廊のシールや保証書、鑑定書が引き出しに残っていることもあります。作品と別の場所にしまわれがちなので、絵を出す時に周りも探しておくと取りこぼしがありません。
ルーペで覗くと印刷は細かい点の集まりに見える
画面を拡大して細かい点が規則的に並んで見えたら、印刷です。色や濃淡を点の大小で表す刷り方のため、拡大すると粒が現れます。100円ショップのルーペでも十分に見えます。
筆で描かれた絵なら、点ではなく筆の跡と絵の具のむらが見えます。絹地なら織り目、和紙なら繊維の走りも見えてきます。濃い色の部分と薄い色の部分を見比べると分かりやすいでしょう。
横から光を当てるのも手です。岩絵具や胡粉をたっぷり置いた部分はわずかに盛り上がり、光の当たり方でざらつきが見えます。印刷の表面は平らなままなので、この凹凸の有無は分かりやすい違いになります。
ただし精巧な複製は、この方法でも判断がつきません。ジークレーのようなデジタル出力は点が細かく、手彩色されたものは表面に絵の具が乗っています。3つの手がかりで白黒がつかない品こそ、専門の目に見てもらう出番です。
日本画の買取金額が伸びにくい3つの理由
金額が伸びない原因は、真贋の不確かさ、飾る場所の減少、そして売り先の販路にあります。絵そのものの良さとは別のところで金額が抑えられているのなら、出し方を変えるだけで結果が変わる余地があります。3つとも押さえておいてください。

真作と示せないと安全側の金額になる
真作の裏づけがないと、買い取る側は低い方に寄せて値を出します。後で複製だと分かれば損をするのは業者の側。だから確証がなければ、複製の可能性を織り込んだ金額になります。
有名作家ほど模写や偽物が多く出回っているため、この差は名前が知られた作家で大きく開きます。同じ絵で、共シールがあるかないかだけで数倍動くこともあるほどです。
付属品が見つかるなら、査定の前に必ずそろえておきましょう。金額の差が最も大きく出る手間のかけどころです。
床の間と応接間が減って飾る人が限られた
日本画を飾る前提の部屋が、住宅から減りました。床の間や応接間があって初めて掛ける絵です。今の間取りでは掛ける壁がなく、次に買う人の数が絞られます。
大きな額と屏風はとくに影響を受けています。絵は良くても置ける家がなければ、買い手は限られてしまいます。買われる見込みの薄さが、そのまま金額に跳ね返るわけです。
一方で小ぶりな額装や色紙は、玄関や廊下に飾れるので引き合いが残っています。大きさは変えられませんが、需要のある帯を知っておけば金額の見当は付きます。
国内の店頭だけで売る前提だと上限が決まる
売り先が自店の店頭だけなら、そこで付けられる売値から逆算した金額しか出せません。これが総合リユース店で美術品が安くなりやすい最大の理由です。近所の店で日本画を探す人はごく少なく、売値の上限が低く抑えられます。
幅広い品を扱う店では、査定も相場表とマニュアルに沿って進みます。作家名や落款を読み解く担当者がいるとは限らず、額入りの絵として一律に扱われがちです。店舗ごと、担当者ごとに金額がばらつく原因もここにあります。
差は具体的な金額に出ます。先に見た状態別の表でいえば、作者が分かって状態も良い1点が、幅広く扱う店では1,000〜10,000円、美術品を専門に扱う店では30,000〜300,000円。同じ絵で10倍以上開くことも珍しくありません。どちらかが不当なのではなく、渡せる先が違うだけです。
美術品を専門に扱う業者は、美術商どうしの市や愛好家の顧客まで売り先を持っています。同じ1点でも、次に渡せる相手の数が違えば出せる金額も変わります。
日本画を買う相手も具体的に押さえておきましょう。近代の作家を集める個人の愛好家、床の間や玄関に飾る料亭や旅館、仏画なら寺院、作家の地元の美術館や記念館。この層に届く売り先を持っているかどうかが、金額の差になって出てきます。
3つの理由のうち、自分で動かせるのは1つめと3つめです。付属品をそろえ、日本画を読める相手に見せる。この2つで金額の見え方は変わります。
日本画が買取を断られやすい4つの条件
断られやすいのは、量産の印刷、本紙まで傷んだ品、自分で手を入れた品、そして真贋が争われた作家の証明なしの作です。先に知っておけば、無駄足を踏まずに済みます。当てはまるものがあっても、他の品と一緒に見てもらう道は残ります。
量産された印刷の複製と、土産物の絵
限定の番号もサインもない印刷は、美術品として扱われません。額が立派でも中身は印刷物。数が多く出回っているため、売り先が見つかりません。
見分けの目印は、画面の隅にある鉛筆書きの番号とサインです。「45/100」のような分数が入っていれば限定された部数の版画。何も書かれていなければ量産品と考えるのが自然です。
本紙が破れ、カビが絵まで回った品
絵の描かれた紙や絹そのものが破れていると、直す費用が金額を上回ります。表装だけの傷みなら直せますが、本紙の破れやカビは修復に十万円単位かかることもあります。
ただし作者が分かる品なら、傷んでいても数千円から数万円が残ります。「もう無理だろう」と決めつける前に、写真を送って聞いてみる方が確かです。
自分でシミ抜きや修復をしてしまった品
自分で手を入れた跡があると、金額は大きく下がります。水拭き、漂白剤、セロハンテープでの補修。どれも絵の具を溶かしたり紙を痛めたりして、元に戻せません。
ホコリを払いたくなっても、乾いた柔らかい布で額のガラスを拭く程度にとどめてください。絵の表面には触らないのが正解です。
真贋が争われた作家の、証明のない作
偽物が多く出回った作家の作は、証明がないと買取を見送られることがあります。横山大観のように人気の高い作家では、模写と偽作が数多く作られてきました。
見送られても、鑑定に出す道は残ります。鑑定を受けるかどうかの判断材料は次で整理します。
4つのうち3つは、事前に写真で相談すれば判断がつくものです。運んでから断られる事態を避けるためにも、先に伝えておくことをおすすめします。
日本画の買取金額を上げる6つのポイント
付属品をそろえ、絵に手を触れず、まとめて見てもらう。この3方向で金額は変わります。手間はほとんどかかりません。査定を頼む前の1時間でできることを、順に挙げていきます。
共シール・共箱・鑑定書をそろえて一緒に出す
付属品がそろうかどうかで金額が数倍変わるので、ここに手間をかける価値があります。額の裏板のシール、桐箱、画廊の保証書、購入時の領収書。すべて真作を示す材料になります。
軸装なら、作品の説明を書いた栞が箱に同封されていることもあります。箱だけ別の押し入れにある、保証書が仏壇の引き出しに入っている。そんなこともよくあるので、絵を出す時にひととおり探しておきましょう。
絵の汚れは触らず、そのまま見せる
掃除をして高くなることはなく、下がる危険しかありません。シミもヤケも、そのままの状態で見てもらってください。査定する人は傷みを前提に見ています。
額のガラスに指紋が付いているくらいは金額に響きません。手を出したくなる気持ちは分かりますが、そこはこらえるところです。
額から外さず、軸は巻いたまま持っていく
額装は額のまま、軸は巻いたままが正解です。自分で外そうとして紙を折ったり、留め具で絵を傷つけたりする事故が起きます。
額そのものにも値段が付くことがあります。作家が選んだ額や古い工芸額は美術品として評価されるため、外して別に置かない方が得です。
いつ誰から来た1点かを査定の場で伝える
どこで買った品か、誰から譲られた品かという来歴は、それ自体が判断材料になります。「祖父が銀座の画廊で買った」という一言が真作の方向に働くことがあります。
覚えている範囲でかまいません。買った年、店の名前、誰の持ち物だったか。曖昧なままでも伝えておくと、査定する人の見立てが変わります。
鑑定に出すかどうかは費用と相場を見比べて決める
鑑定料は1点あたり1万〜5万円で、証書の発行はさらに費用がかかります。東美鑑定評価機構では日本画の鑑定委員会を毎月9日に開いており、鑑定証書の発行費は日本画で30,000円。証書は真作と判定された作品にのみ発行されます。
作品を持ち込むか直接引き取ってもらう必要があり、事前の電話予約と身分証も要ります。手続きに手間がかかることも見込んでおきましょう。
買取金額が数万円の帯なら、鑑定料で手取りが消えます。まずは無料の査定で見立てを聞き、「鑑定に出せば数十万円上がる」と言われた品だけ進めるのが順序です。
展覧会や節目の年は引きが強くなる
絵は売る時期でも金額が動きます。その作家の回顧展が開かれた年や、生誕・没後の節目にあたる年は話題になり、買いたい人が一気に増える。美術館の企画展に合わせて相場が動く作家もいます。
とはいえ、節目を待って何年も押し入れに置くのは逆効果。紙と絹は待っている間に傷みます。持っている作家の展覧会の予定が近いなら査定の時に聞いてみる、程度の使い方がちょうどいいところです。
6つのうち5つは、探して伝えるだけの手間です。お金をかけるのは鑑定だけ。それも査定で見立てを聞いた後で決めれば損はありません。
値段がつかなかった日本画の手放し方
値がつかない品の出口は、無料引き取り、額だけ活かす、自治体のごみの3つです。仏画や先祖の書のように、ごみに出すのが憚られる品には供養という道もあります。順に見ていきます。
無料で引き取ってもらえるかは業者ごとに違う
値段がつかない品を無料で引き取るかどうかは、業者によって対応が分かれます。買取と一緒に処分まで引き受ける業者もあれば、買取できない品は一切引き取らない業者もあります。
持ち込んでから断られると、また持って帰ることになります。額装の日本画はガラス入りで重く、往復するだけで半日仕事。申し込みの時点で「値段がつかなかった分も引き取ってもらえますか」と確かめておくのが確実です。
遺品の整理で出てきた品なら、他の遺品とまとめて相談した方が話が早く進みます。何に値段が付いて何が付かないかは遺品買取で値がつくもので品目別に整理しました。
仏画や先祖の書は供養・お焚き上げに出す
仏さまを描いた絵や先祖の書は、寺社のお焚き上げに出す道があります。神社や寺で受け付けているほか、遺品整理の業者が供養まで請け負っていることもあります。
費用は寺社や業者で異なるので、点数を伝えて確かめてください。信仰にかかわる品を袋に入れることに抵抗があるなら、こちらの方が気持ちの区切りが付きます。
自治体のごみに出す、額だけ使う
最後の出口は自治体のごみですが、額とガラスは分けて出すのが基本です。絵と紙の部分は可燃、ガラスと金属の枠は不燃や粗大ごみ。分け方は自治体で違うので確認してください。
額の状態が良いなら、別の絵や写真を入れて使い回す手もあります。中身に値段が付かなくても、額として使えるなら捨てる必要はありません。
いずれの出口にも共通するのは、金額を確かめる前に処分しないこと。まず査定を受けて、値段が付かないと分かってから動けば取り違えは起きません。
日本画を売る3つの方法|店頭・宅配・出張の使い分け
1点だけなら店頭か宅配、数点あるなら来てもらう出張が向いています。日本画は額入りだと重く、軸は長くて数がまとまりがち。運ぶ手間と破損の危険を考えると、点数で決めるのが分かりやすい基準です。
| 売り方 | 手間 | 向いている品 |
|---|---|---|
| 店頭買取 | 持ち込みと待ち時間 | 小ぶりな額装1〜2点 |
| 宅配買取 | 梱包と発送 | 軸装や小さめの額装 |
| フリマ・オークション | 撮影・出品・発送・対応 | 自分で相場が分かる品 |
| 出張買取 | 日時を決めて待つだけ | 大きい額装・数点まとめて |
どれを選ぶかで金額そのものが変わることもあります。それぞれの向き不向きを具体的に見ていきましょう。

店頭買取は美術品を扱う店が近くにあるかで決まる
その場で金額が分かるのが利点ですが、日本画を読める店が近所にあるかどうかで結果が変わります。幅広い品を扱う総合リユース店では、額入りの絵として一律に扱われがちです。
ガラス入りの額を車に載せる時は、毛布などで挟んで立てて運んでください。横に寝かせると、揺れでガラスが割れて絵まで傷つきます。
宅配買取は軸装や小ぶりな額装なら送れる
日本画は宅配買取の対象で、専用のキットを用意している業者もあります。巻いてしまえるコンパクトな軸装や、小さめの額装なら送るかたちが手軽です。
ただし大きなガラス入りの額は、梱包に手間がかかり輸送中の破損も心配です。段ボールを組んで隙間を埋める作業を考えると、送るより来てもらう方が結局楽になります。
フリマ・オークションは真贋のもめ事が起きやすい
自分で出品する売り方は、日本画では避けた方が無難です。真作かどうかを自分で保証することになり、後から「偽物だった」と言われて返品を求められる話が絶えません。
手間の面でも厳しくなります。撮影と説明文の作成、大きな額の梱包、送料の負担、購入者とのやり取り。額装の絵は送料も高く、手取りが思ったほど残りません。
相場が分からない品を出品するのは、なおのこと危ないところ。数十万円の作を数千円で手放してしまう取り違えは、実際に起きています。
点数が多いなら来てもらう出張買取
壁に3枚、押し入れに数本という状態なら、来てもらうのがいちばん早いです。額のガラスを割る心配も、緩衝材を買い足す手間もありません。玄関から先に上げるかどうかも、こちらで決められます。
訪問してくれる業者は数多くありますが、日本画で候補に挙げやすい買取サービスが「福ちゃん」です。日本画だけの専用ページを設け、作家名と金額つきの実績を並べているためです。何がどう向いているのかは、こちらでくわしくお伝えします。
小ぶりな1点なら店頭、軸装なら宅配、大きい額や数点なら出張。日本画は花瓶や茶道具と一緒に眠っていることが多いので、まとめて見てもらえる売り方が手間と釣り合います。
日本画を任せる業者の見分け方
崩し字の落款を読み解ける相手かどうかで、同じ絵の金額が変わります。だから業者選びの結果が、提示される金額そのものに出ます。見るところは3つ。営業の許可、日本画を扱った実績、そして当日のやり取りの誠実さです。
古物商許可と、日本画の買取実績を確かめる
買い取る側には、公安委員会から受けた古物商の許可が要ります。会社概要に「第○○号」という番号が出ているかを見れば済む話です。どこにも書いていない相手は、それだけで候補から外して構いません。
そのうえで、日本画の買取実績が作家名と金額つきで公開されているかを確かめます。絵画を扱うと書いてあっても、実績が版画ばかりなら肉筆の見立ては期待しにくいでしょう。
本人確認と書面の交付にきちんと応じるか
買取の際に身分証の提示を求められるのは、法律で決まった正しい手続きです。古物営業法で確認が義務づけられており、聞かれない方がむしろ不自然だと考えてください。
自宅に訪問して買い取る取引では、品目や金額を記した書面の交付も義務です。渡そうとしない相手、口約束で済ませようとする相手は避けるのが賢明です。
「今日なら高い」と即決を迫る相手は避ける
その日に決めさせようと急かす相手からは、いったん離れてください。美術品の相場は1日で変わるものではありません。急がせる理由は、比較させないためです。
金額に納得できなければ、他の業者にも見てもらって構いません。高い金額が出た1点だけを売り、残りは持っておく判断もできます。
許可番号、日本画の実績、書面と態度。この3つを確かめておけば、任せてよい相手はおおむね絞り込めます。
日本画をまとめて手放すなら福ちゃんの出張買取
家にある日本画を数点まとめて手放すなら、自宅で完結する出張買取が手間の面で釣り合います。まず売り方としての利点を整理し、そのうえで数ある業者の中から福ちゃんを取り上げる理由をお伝えします。

出張買取が店頭やフリマより負担の軽い理由
出張買取は、査定する人が自宅まで来て、その場で金額を出して現金または振込で支払う売り方です。額を車に積む必要もなく、梱包材を買いに行く必要もありません。
出張料、査定料、キャンセル料、振込手数料。この4つは無料としている業者が業界の標準です。申し込みはWeb・電話・LINEの3通りで、早ければ当日の訪問にも応じてもらえます。
気になるのは、来てもらったら断りにくいのではという点でしょう。ここは押さえておいてください。金額に納得できなければ費用なしでその場で断れます。1点ずつ売る・残すを選べるので、全部手放す必要もありません。
訪問して買い取る取引は、契約から8日以内なら無条件で解約できるクーリングオフの対象です(一部の品目は除きます)。「一度売ったら取り消せない」と告げる業者は、その一言だけで候補から外して構いません。
では、先ほど名前を挙げた福ちゃんが日本画の整理にどう向いているのか。続けて見ていきます。
福ちゃんが日本画の整理に向いている理由
色があせた絵、シミの出た絵、署名が読めない絵まで査定の対象だと公式にうたっています。状態のいい品だけ選んで見るのではない、という姿勢がはっきり書かれているのは日本画では心強いところ。頼んだ人の声は、福ちゃんの評判記事でくわしくまとめました。
並んでいる実績を見ると、どのあたりまで金額を出しているのかが見えてきます。



近代の巨匠から、今も描いている作家の小品まで並んでいます。1万円の額装1点も出張買取で引き取られており、点数や金額の大小で線引きはされていない様子。竹内栖鳳や上村松園の名前も対象作家として挙げられています。
- 美術品を渡せる先を自社で抱えている:近所の店頭で売る前提ではないので、絵の価値をそのまま金額に乗せやすい
- 買い取ってきた品は累計800万点・19の分野:絵を外した壁の下にある花瓶、食器棚の器、指輪まで同じ訪問でまとめて見てもらえる
- 担当者を女性に指定できるレディースプランがあるので、日中ひとりで在宅していても身構えずに呼べる
- 訪問に使う車には社名が入らない:家の物を売ったと近所に知られたくない場合の配慮が用意されている
会社は株式会社REGATEで、古物商の許可とプライバシーマークの認定を受けています。訪問は1点からでも手数料なしで受け付け、送るかたちを選ぶ人には宅配のキットも届きます。
壁から外した額が3枚、押し入れに軸が5本。そんな時こそ来てもらう出番です。値段が付くか分からない1点も含めて、まとめて見てもらうところから始めてみてください。
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※ キャンペーンは出張買取で1回5,000円以上の成約が条件、毎月最大30名への抽選です。契約書を受け取った日から8日間クーリングオフができます。値段がつかなかった品の無料引き取りはありません。訪問できる日時は地域と混雑状況によって変わります。キャンペーンは毎月実施の抽選制で、予告なく変更・終了する場合があります。
額の裏を見せるまでの4つの場面
こちらが動くのは、申し込みの3分と当日の30分だけです。残りは日時の連絡を待つ時間なので、半日空ける必要はありません。当日の流れを先に知っておけば、玄関を開ける時の気構えも変わります。

STEP1 Web・電話・LINEで申し込む(3分)
フォームに名前と住所、品物の内容を入れるだけで申し込みは終わります。「日本画の額装が3点と軸が数本」程度の伝え方で構いません。
作家名と状態、それに額の縦横の長さを添えると当日の話が早くなります。寸法は概算を出す材料になるためです。写真を送れる窓口なら、落款と額の裏の2枚を撮っておきましょう。
STEP2 訪問の日時を決める(申し込み後すぐ)
折り返しの連絡で、都合のよい日時を決めます。早ければ当日、混み合う時期でも数日のうちに枠が取れます。
女性の担当者を希望するなら、この段階で伝えておいてください。当日に頼むより確実に手配してもらえます。
STEP3 自宅で査定してもらう(30分前後)
玄関先やリビングで、1点ずつ確かめながら金額を出してもらいます。額の裏も見てもらえるので、シールがあるかどうかもその場で分かります。
付属品の箱や保証書は、この時にまとめて出しておきましょう。花瓶や茶道具など他の品も一緒に見てもらえます。
STEP4 その場で受け取る、または断る
金額に納得できれば、その場で支払いを受けて終わりです。納得できなければ費用なしで断れます。1点だけ売って残りは持っておくこともできます。
手放した後で気が変わっても、8日以内なら解約を申し出られます。書面を受け取って保管しておいてください。
4つの手順を通して、家から出るものは何もありません。半日空けて店を回るのと比べれば、手間の差は大きいでしょう。
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日本画の売却・処分でよくある質問
宅配で送れるか、鑑定書を先に取るべきか、複製画でも売れるか。この3つが特に多い疑問です。迷いやすいところをまとめました。
- 日本画は宅配買取で送れますか?
-
はい、送れます。
専用の宅配キットを用意している業者もあり、巻いてしまえる軸装や小ぶりな額装なら手軽です。ただし大きなガラス入りの額は梱包の手間と輸送中の破損が心配なので、出張買取の方が向いています。
- 来てもらった後で、断りにくくなりませんか?
-
いいえ、納得できなければ費用なしで断れます。
1点ずつ売る・残すを選べるので、全部まとめて手放す必要もありません。訪問して買い取る取引は契約から8日以内なら無条件で解約できるクーリングオフの対象です(一部の品目は除きます)。断れないと告げる相手は避けてください。
- 値がつかない絵は、その場で処分までお願いできますか?
-
業者によって対応が分かれます。
買取と一緒に無料で引き取る業者もあれば、買取できない品は引き取らない業者もあります。額装の絵は重いので、持ち帰る事態を避けるため申し込みの時点で確かめておくと安心です。
- 先に鑑定書を取った方が高く売れますか?
-
多くの作品では費用倒れになります。
鑑定料は1点1万〜5万円で、証書の発行費も別にかかります。買取金額が数万円の帯なら手取りが消えてしまいます。まず無料の査定で見立てを聞き、鑑定に出す価値があると言われた作品だけ進めてください。
- 日本画を売ったら税金はかかりますか?
-
1点30万円を超えると、課税の対象に入ります。
家庭で使っていた家具や食器の売却に税金はかかりませんが、書画・骨とうは1個または1組が30万円を超えると例外として扱われます(所得税法施行令第25条)。ただし利益には年50万円の特別控除があるため、実際に申告が必要になる場面は限られます。数百万円の作品を手放すなら、税理士に一度確かめておくと安心です。
- 絵がなく額縁だけでも売れますか?
-
作家が選んだ額や古い工芸の額なら値が付きます。
彫りの入った古い額や、作品と一緒に作られた額は美術品として評価されます。一方で量産のフォトフレームや賞状額は対象外です。中身がなくても、まとめて見てもらう分には手間が増えません。
- 複製画やリトグラフでも買い取ってもらえますか?
-
条件によっては買取の対象になります。
有名作家の作で、リトグラフやシルクスクリーン、ジークレー、コロタイプなどの技法で作られ、状態が良く証明書や額もそろっているもの。この条件に当てはまれば美術品として評価されます。量産の印刷は難しいと考えてください。
- 作者の名前が読めない日本画でも査定してもらえますか?
-
はい、そのまま見てもらって構いません。
崩し字の署名や印は、査定する人が資料と突き合わせて確かめます。作者不明の作品も査定の対象としている業者があり、筆で描かれた品なら数千円から数万円が残ることもあります。
- 売るまでの間、どう保管しておけばいいですか?
-
直射日光を避け、湿気の少ない場所に置いてください。
湿度が70%を超えるとカビが出やすく、55%前後が目安とされています。軸装は桐箱に入れておくと湿気を吸ってくれます。押し入れに入れるなら、下に除湿シートを敷いておくと安心です。
迷いどころは、お金をかける前に無料の査定で聞けるものばかりです。鑑定も処分も、見立てを聞いてから決める方が損がありません。
日本画を納得して手放すための要点まとめ
ここまでの話を、手を動かす順に並べ直しました。査定を頼む前と、金額を聞いた後の判断材料として使ってください。
- 量産の印刷は値段がつかない〜1,000円、筆で描かれた作者不明の品は1,000〜10,000円
- 近代の巨匠の真作は数十万〜数百万円、大観の富士なら1,000万円超も
- 東山魁夷・平山郁夫らの原画は百万円単位、同じ図柄のリトグラフは数万円台
- 存命作家・中堅作家の小品は1万〜数十万円。号の大きさが金額に直結する
- 美人画・花鳥画は飾りやすく需要が安定、季節限定の画題と大幅は売りにくい
- 真作かどうかは絵の隅の落款・額裏の共シール・拡大した時の粒で見当が付く
- 拭く・洗う・貼るは厳禁。額から外さず、シミもそのまま見せる
- 鑑定料は1点1万〜5万円+証書の費用。数万円の品では費用倒れになる
- 伸びない原因は3つ=真作と示せない・掛ける壁が減った・国内の店頭という売り先
- 値がつかない品は無料引き取り・供養・自治体のごみが出口。額は使い回せる
- 許可番号と日本画の実績を先に確認。その日に決めさせようとする相手は見送る
- 1点は店頭、軸装は宅配、大きい額や数点なら出張買取が手間と釣り合う
1点あたりいくらかを気にするより、家にある美術品をどう出すかで考えた方が判断は軽くなります。裏板を見る、箱と証書を探す、他の品と並べて見てもらう。この3つだけで結果は変わってきます。
飾る人がいなくなった日本画は、次に掛けてくれる人へ渡そう
飾る人がいなくなった絵は、しまい込んだ日から価値が減っていきます。紙と絹は湿気に弱く、押し入れの年月がそのままシミとカビになります。値段が分からないので後回し、を続けた先に待っているのは「もう手遅れ」の一言です。
客間に絵を掛けて、来客と一緒に眺める。そういう時間のためにこの1点は選ばれました。父や祖父が画廊で迷って買い、季節ごとに掛け替えていた絵。可燃ごみの袋に入れるには、やはり気が引けるものです。だからこそ、次に飾ってくれる人へ渡す道を考えたいところ。誰かの部屋で掛けられると分かれば、送り出す気持ちも軽くなります。
壁から絵を外す日は、そう何度も訪れません。花瓶や器も含めて一度に見てもらえる、めったにない機会でもあります。真作か複製か分からない1点こそ、費用のかからない査定で確かめてから決めてください。長く飾られてきた絵が、次の壁へ気持ちよく渡っていくことを願っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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